サウナに興味はあるけれど、「入り方がよくわからない」「水風呂が苦手」という方も多いと思います。
サウナにハマる前の僕も、水風呂が苦手でした。
興味本位でサウナに入ったものの、水風呂が苦手なのが理由で水風呂に入らず、外気浴して休憩もしない。当然、サウナの気持ちよさを実感することはできていませんでした。
これはサウナ→水風呂→外気浴
という単純なステップを踏んでいないだけで、サウナの効能と気持ちよさを実感することが出来ていなかったんです。
サウナの良い所の一つに、手軽に始められる点が挙げられます。最低限必要なものは、タオルだけ。
利用料金も1000円前後が多く、利用時間の制限が無い場所も多々あります。
こんなに手軽でリーズナブル、健康的にリフレッシュできる場所を、僕は他に思いつきません。
是非、この記事で紹介する正しい手順と少しの知識で“ととのう”感覚を体験してください。
本記事では、日本サウナ学会代表・加藤容崇先生の知見も参考に初心者にも優しく、科学的に見たサウナの入り方とマナーを5つのステップにして解説します。
初心者でも今日から気持ちよくサウナを楽しめる、保存版ガイドです。
まずは「洗体」から|気持ちよく整うための第一歩
掛け湯だけで、早くサウナ室に入りたくなる気持ちは良くわかります。
僕も疲れているときは、とりあえず掛け湯で汗と汚れをサラッと流して、サウナに入りたくなるときは多々あります。
ですが、実は“洗体(体と髪を洗うこと)”こそが快適なサウナ体験のはじまりなんです。
たった数分の準備で、汗のかき方やととのい方がまるで違ってきます。
最高のサウナ体験をするためには、この一番最初の洗体が非常に重要です。
なぜサウナ前に洗体が必要なの?
「体を洗うだけでそんなに変わるの?」と思うかもしれませんが、洗体はマナーであり、サウナの効果を最大限に引き出す秘訣でもあります。
3つのポイントを以下の表に簡単にまとめてみました。
| ポイント | 効果・理由 |
|---|---|
| 衛生・マナー | 体の汚れを落とすことで、他の利用者も気持ちよく入浴ですます。マナー面だけでなく心理的リラックスにも◎ |
| 発汗効率アップ | 皮脂や毛穴の汚れを落とすと汗がスムーズに出て、血流や代謝が活性化。ととのいやすくなります。 |
| 美肌・健康効果 | 清潔な状態で発汗することでターンオーバーが促進され、ニキビ予防や肌コンディションの改善にも◎ |
衛生的配慮・マナーである
サウナ室は多くの人が共有する場所で、清潔な状態でサウナ室に入室することがサウナーへの第一歩です。
後から入ってくる人たちが、サウナ室内で快適に過ごせるように、体と頭を洗い清潔な状態で入室しましょう。
来た時よりも綺麗にする。
といった考え方は一般的であり、日本の素晴らしいマナーです。
サウナ室はただ体を温めて汗をかくだけの場所ではなく、自分自身と向き合い深く瞑想を行っていたり、自分自身の我慢の限界に挑戦している人もいます。他の入浴者が不快に思うことは避けるべきです。
サウナの本場、フィンランドにはこんな格言があります。
「サウナでは、協会と同じように行動しなければなりません」
日本で例えるなら、神社やお寺などに言い換えてみると、イメージがつきやすいと思います。それくらい厳正な場所だとされていることを、頭に置いておくといいでしょう。
毛穴の汚れや、皮脂を取り除き発汗を促進する
皮脂や汚れで毛穴が詰まっていると、効率良く汗をかくことができません。
事前に体を洗うことで、毛穴の汚れや皮脂を洗い流し効率的に発汗できるため、サウナの血行促進や疲労回復効果をより高められます。
美肌・健康効果の増進
サウナで得られるメリットの一つに美肌効果が上げられます。事前に体を洗い毛穴の汚れや皮脂を洗い流すことで肌の新陳代謝(ターンオーバー)が促されニキビ予防など、美肌効果の上昇が期待できます。
また、事前に体を洗い毛穴がきれいな状態にしておくことで汗を効率的にかき、体温調節機能を正常に働かせてのぼせにくく、体への負担が少ない入浴をすることが出来ます。
豆知識
体を洗う前に、グルっと洗い場を見渡してみましょう。
一部だけ、シャワーやソープが違うエリアがあるかもしれません。
見つけられれば、より特別なシャワータイムを楽しめますよ!
初心者でも安心!洗体のチェックリスト
僕が行っているルーティーンは以下の通り
- 洗い場(特別ブース)のチェック
- シャンプー → ボディソープの順で洗う
- しっかり泡立てて、毛穴の汚れを意識して洗う
- 泡をしっかり流す(衛生面、発汗促進)
- 桶や椅子は泡を流し、元の位置に戻す(次の人への思いやり)
ワンポイント
洗い場での大声の会話や場所取りは控えめに。
「来た時より綺麗に」を意識すると、気持ちもととのいます。
時間がないときは「泡で軽く流す」だけでもOK。この後ぬるめの湯船で3〜5分温まってからサウナに入ると、発汗効率がぐっと上がります。

サウナ室に入る前にするべき6つのポイント
全身を洗い終えてサウナ室へ行きたいところですが、サウナ室に入る前にやっておきたい6つのポイントがあります。
この6つを行うことで、サウナを安全かつ快適に利用でき、サウナの効果を最大限に受けることができます。
- 体調の確認
- 施設ルールの確認
- 導線の把握
- 軽く体を温める(下茹で)
- 水分補給をする
- 体の水滴をふき取る
それでは、一つずつ解説していきましょう。
① 体調の確認
大前提として、体調が悪いときはサウナの利用は避けましょう。
風邪気味、発熱、二日酔い、睡眠不足など
サウナでは、高温の中で数分間過ごし水風呂に入るため、日常ではあり得ない温度変化に対応する体力が必要です。体調不良時や飲酒後に入ると、脱水や心臓への負荷、事故リスクが高まってしまいます。
昔はサウナで汗をかけばアルコールが早く抜けるという考えがありましたが、汗で排出されるアルコールはごくわずかで、アルコールの大部分は肝臓で分解されます。
肝臓がアルコールを分解するのには水分が必要で、分解に必要な水分が汗によって排出されてしまい、かえってアルコールの分解を妨げるばかりでなく、脱水症状を引き起こしてしまう可能性があります。
その他にも、血圧の変動による心臓への負荷増大や、酩酊状態での判断力の低下による、事故のリスクも挙げられますので、飲酒後のサウナは避けましょう。
② 訪問施設のルールを確認する
サウナには施設ごとに独自のルールがあることがあります。入浴前に掲示を確認しておくと安心です。
僕はルールを破って汗を流さず水風呂に入ったり、潜水したりしている人を見て不快な思いをした経験があります。
代表的な例は以下の通り
- サウナ室内での会話・私語の禁止
- 飲食物の持ち込み禁止
- 水風呂の潜水禁止
- サウナマット・タオルの使用方法
事前に自分がしっかりと、ルールを確認しておくことで、利用者全員が快適に過ごすことができます。
③ 事前に導線を把握する
最高のサウナ体験を経験するために、サウナ室→水風呂→外気浴(休憩場所)の順路を事前に把握しておきましょう。
僕も最初に浴場を一周して、椅子や浴槽の位置を確認しておくことで、混雑時や初めての施設でもスムーズに外気浴を楽しむことができています。
- 事前に浴場の配置図をチェック
- 椅子や休憩スペースの混雑状況をチェック
- 外気浴用の椅子が空いていない場合は、寝湯や室内休憩のプランを用意
- 季節に応じて、夏や冬は室内休憩、春や秋は外気浴など柔軟に対応
④ 軽く体を温める(下茹で)
サウナに入る前に、湯船で3〜5分ほど体を温めましょう。サウナーの間では「下茹で」と呼ばれています。体の芯まで温めなくても下茹ででは、短時間で効果は十分です。
- 血管が広がり血流が良くなる → サウナ室での発汗がスムーズに
- 急激な温度変化による心臓への負担を軽減
- おすすめ浴槽:炭酸泉や温めの浴槽(お気に入りならどこでもOK)
- 時間目安:夏は短め、冬は少し長め
さにきサウナ室での発汗がスムーズになり、外気浴の気持ちよさがアップしますよ!


⑤ 水分補給をする
脱水症状を防ぐため、入浴前にコップ1〜2杯の水やスポーツ飲料で水分補給を行いましょう。浄水器や給水所は浴場の出入り口付近に設置されていることが多いので、通りかかったらこまめに水分補給を行いましょう。
サウナ室で8〜12分過ごすと、300〜500mlの汗をかくことがあります。「喉が渇いた」と感じる前に水分補給するのが理想です。



セット間で、こまめに水分補給を心掛けましょう!
⑥ 体の水滴をふき取る
サウナ室に入る前には全身の水滴をタオルでふき取りましょう。理由は以下の2点です。
- 発汗を促すため:肌に水分が残っていると気化熱で体が冷やされ、発汗が遅れる
- 衛生面での配慮:床や座席が濡れていると、他の利用者が不快に感じる
発汗を促すため
サウナ室内で肌に水分が付着していると、サウナ室の熱でまずその水分が蒸発します。
この際に気化熱によって体が冷やされ、発汗が遅れてしまうので、体をしっかり拭いておくことで体温が効率的に上がり発汗がスムーズに始まります。
衛生面での配慮
サウナ室内でも、利用者全員が快適に利用できるように、衛生面での配慮が求められます。
多くの施設では、定期的にスタッフの方が座席や通路のマットを交換して、利用者が快適にサウナを楽しめるようにしてくれています。
サウナ室内で、汗を垂らしてしまうのは仕方がないことですが、少しでも利用者が快適に過ごせるように配慮して入室するように心掛けましょう。
豆知識
加藤容崇先生によると、サウナ前の下茹では循環器系や自律神経への負荷を軽減し、発汗効率を高める効果があります。下茹でで血流を促進し、水分補給で脱水を防ぐことは、安全に“ととのう”体験を実現する上で非常に重要です。
以上のサウナ前の6つの準備を行うことを、マナー的にも科学的にも理にかなった行動として、実践することをおすすめします。
サウナ室で快適に過ごす3つのポイント
サウナデビューで最初に立ちはだかる壁は「サウナ室の暑さ」です。
しかし、ポイントを押さえれば初心者でも快適にサウナ体験を楽しめ、発汗効果やリラックス効果も高まります。
ここでは、サウナ室での過ごし方を3つのポイントに分けて解説します。


① 座る位置を決める
サウナ室内は、ストーブの位置や座席の高さで温度が異なります。座る位置を工夫するだけで快適さが大きく変わります。
- 上段:より高温で早く温まる。短時間で汗をかきたい人向け
- 中段:ほどよい温度でリラックスしやすい。初心者や中級者向け
- 下段:初心者や長時間入りたい人向け。体を慣らすのに最適
温度計がある場合は表示温度を参考にし、体感と相談して座席を選びましょう。
上段の方が高温で、ストーブの近くは輻射熱もあり体感温度も上昇します。
急激に体温が上がると心拍数が上昇し血圧変動も起こし、めまいや頭痛の原因になるため、自分に合った段差に座ることが安全でおすすめです。
初心者のコツ:まず下段で様子を見てから、中段や上段に挑戦すると安心して快適に過ごせます。
② 会話は控える
サウナ室では静かに過ごすことが基本です。
他の利用者が大きな声で会話していると、自分のサウナ体験に集中できません。
静かな環境は副交感神経を優位にし、心拍数や血圧を安定させ、リラックス効果を高めます。
- サウナは自分と向き合う時間。深呼吸や体の感覚に集中する
- 一般マナーとして大声や会話を控え、他の利用者への配慮をする
- 会話OKのサウナ室では、迷惑にならない音量で話す
初心者のコツ:最初は静かで少し怖く感じるかもしれませんが、他のみなさんも集中しています。体の感覚や鼓動に意識を向けると汗が出やすくなり、心地よさを実感できます。
③ サウナ室から出るタイミング
無理に我慢せず、体がサインを出したら早めに退室することが快適なサウナ体験の基本です。
初心者は5〜8分程度、中級者は8〜12分程度が目安。心拍数は安静時の約2倍を目安に、めまい・吐き気・頭痛を感じたらすぐに退室しましょう。
- 下段・中段で体を慣らす
- 5分経過時点で心拍数や体感をチェック
- 軽く運動した程度に鼓動が早くなったら退室
- 少し熱く感じてきたら早めに退室
・無理な我慢をしない
・心拍数や時間を目安にすると体に負担をかけずに効果を得られる
・短時間でも汗が出れば、血流改善やリラックス効果は得られる
他の利用者の入室時間を気にする人もいますが、体の温まり方は人それぞれ。時間は気にせず自分の感覚を大事にしてください。
心拍数の測り方
- 手首の内側を確認する:利き手でない方の手首の内側で、親指側に「骨」と「腱」の間あたりを触ると、脈の触れやすい場所が見つかります。
- 指を当てる:利き手の、人差し指・中指・薬指の3本の指先で、この脈の場所を軽く押さえます。
- 脈の回数を数える:時計の秒針を見ながら、15秒間に脈が触れた回数を数えます。
- 計算する:15秒間に数えた回数に4を掛けると、1分間の心拍数が算出されます。



サウナ室内の12分計を見て測りましょう!
心拍数はスマートウォッチで気軽に計測することが出来ますが、サウナ室内の高温に対応しているモデルはごくわずかです。
このことから、一般的なスマートウォッチをサウナ室内で使用することはおすすめできません。
使用する場合はサウナ対応モデルにしましょう。
サウナ室では静かに、呼吸を整える
サウナ室内では、静かにして呼吸に意識を集中してみましょう。鼻から吸い、口からゆっくり吐くことで副交感神経が優位になり、リラックス状態に入ります。
サウナ学会代表・加藤容崇先生も、「呼吸を整えることが“ととのう”鍵になる」と提唱されています。



深呼吸することで、意識を集中することもできます!
豆知識
加藤容崇先生によると、サウナ室で静かに呼吸を整えながら過ごすと、副交感神経が優位になり心拍数・血圧が安定します。また、座る位置や滞在時間を守ることで血流改善・発汗促進効果が最大化され、安全にリラックスできます。
サウナ室の温度と時間の目安
| 温度 | 目安時間(初心者) | 体感の変化 |
|---|---|---|
| 80〜85℃ | 7〜10分 | じんわり発汗。呼吸が楽でリラックスしやすい。 |
| 85〜95℃ | 6〜8分 | 一般的に多い温度設定。この温度帯が基準になりやすい。 |
| 100℃以上 | 4〜6分 | 温度に慣れるまでは無理せず早めの退出を。ジリジリ熱を感じる温度。 |
サウナ室内での体の変化
- 心拍数は入室後2〜3分で約1.5倍まで上昇します
- 体温が38〜39℃に上がると血流が促進され筋肉疲労が軽減されます
- 交感神経が一時的に優位になり、その後の冷却で副交感神経が優位になる「自律神経のリセット」が起こります。
水風呂の役割|サウナ後に欠かせないクールダウン
サウナのあとに入る水風呂。
「冷たそうで苦手…」と思う方も多いのではないでしょうか?



僕も最初は水風呂が苦手でした!
でも実は、この水風呂こそが“ととのう”感覚を生み出す大切なステップなんです。
サウナでしっかり温まった体は、血管が広がってポカポカの状態。
そこで水風呂に入ると、今度は血管がキュッと締まり、全身の血流が一気に整います。
これが、いわゆる温冷交代浴です。
自律神経がリセットされ、心も体もスッと軽くなるような爽快感につながります。
つまり水風呂は、単に体を冷やす場所ではなく、
サウナの効果を完成させるための“仕上げタイム”なんです。
次のステップでは、気持ちよく入るための温度と時間の目安を紹介します。
これを知るだけで、あなたの水風呂が一気に快適になりますよ。
水風呂の温度と入る時間の目安
水風呂の“気持ちよさ”は、温度と時間のバランスで決まります。
無理に我慢するよりも、自分に合った入り方を見つけるのがポイントです。
まずは目安となる温度と時間を見てみましょう。
| タイプ | 水温の目安 | 入る時間の目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 初心者 | 18〜20℃ | 10〜20秒ほど | 足先からゆっくり入り慣れていきましょう。 いきなり肩までつかる必要はありません。 |
| 中級者 | 16〜18℃ | 30秒〜1分 | 冷たさに慣れたら、軽く肩まで入って呼吸を整えましょう。 |
| 上級者 | 14〜16℃ | 1〜2分 | 体全体で“スッと引き締まる”感覚を楽しみましょう。 |
一般的なサウナ施設では、水風呂の温度は15〜18℃に設定されていることが多いです。
この温度帯なら、30秒~1分以内の入浴で十分に“ととのう”効果が得られます。



血液はたった30秒でも全身を一周しているそうです!
科学的にも、サウナ後の冷却は末梢血管を収縮させて血流を促進することがわかっています。
日本サウナ学会代表・加藤容崇先生も「体温の急激な変化が、自律神経を整えるスイッチになる」と述べています。
また、サウナ→水風呂→外気浴の流れを3セットほど繰り返すことで、より深くリラックスできる傾向もあります。
- ポイント①:冷たすぎると感じたら途中で出てもOK
- ポイント②:体を動かさず、静かに入ると冷たさが和らいでくる
- ポイント③:水風呂から出たら、水気を拭いて外気浴へ
大切なのは「頑張る」ことではなく、気持ちいいと思える範囲で続けることです。
回数を重ねるうちに、自然と冷たさの中にも快感を感じられるようになりますよ。
水風呂に入る前にした方がいいこと
サウナ室から出たあと、いきなり水風呂へダイブ!…これはNGです。
より気持ちよく、そして安全に“ととのう”ためには、入る前のひと手間がとても大切です。
ここでは、初心者でも失敗しにくい「水風呂の入り方」を紹介します。
- 汗を流してから入る
サウナ室でかいた汗をしっかり流してから水風呂に入りましょう。
これはマナー面だけでなく、体表の熱をやさしく冷ますためにも大切です。 - 一度水シャワーで体を慣らす
水風呂にいきなり入ると、心臓への負担が大きくなります。
肩・腕・足などに軽く冷たく感じない温度の水をかけて“冷たさの予告”をしておくと、体が驚きにくくなります。 - 深呼吸をして息を吐きながら入る
サウナ後は自律神経が“交感神経優位”になっています。
そこでゆっくり深呼吸をして副交感神経にスイッチを入れると、冷たさを受け入れやすくなり、リラックスした状態で水風呂を楽しめます。 - 「羽衣(はごろも)」を意識して静かに入る
水風呂では、体の表面に薄い暖かい層ができます。これが“羽衣”。
体を動かさずに静かに入ることで、この羽衣が壊れず、冷たさをやわらげるバリアになります。
上級者は、この感覚を大切にして“ととのい”をより深めています。
とくに「羽衣」を保つ入り方は、慣れてくるとサウナの醍醐味のひとつになります。
静かに、丁寧に、そして自分のペースで。
これだけで水風呂の快感がぐっと変わります。
科学的にも、水風呂での血管収縮→外気浴での拡張という流れが、自律神経をリセットする“スイッチ”になることが確認されています(※加藤容崇先生による研究より)。
このプロセスを繰り返すことで、ストレス耐性の向上や睡眠の質改善も期待できます。
つまり、外気浴前の水風呂が、
“ととのいの質”を大きく左右するということです。


外気浴|ととのいを生み出す究極の時間
サウナ室と水風呂を終えたあとの外気浴(休憩)は、まさに“ととのい”の瞬間。
熱と冷の刺激を受けた体が自然と調整をしはじめるこの時間に、五感を解放して深くリラックスしていきます。
外気浴とは?
外気浴とは、水風呂のあとに外の空気に触れながら体を休めること。
体温がゆっくり戻る過程で「自律神経のリセット」が起こり、脳が深くリラックスした状態へと導かれます。
この時間こそが“ととのう”ための最大の鍵です。
季節ごとのおすすめ外気浴スタイル
季節によって外気の温度や湿度、風の感覚が異なるため、“ととのい”方も少しずつ変化します。
季節の空気を感じながら、自分に合った外気浴スタイルを探してみましょう。
| 季節 | おすすめの外気浴方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | デッキチェアで5〜10分ほどゆっくり休憩。 やわらかい風が気持ちよく、ととのいに最適。 | 花粉が気になる人は室内換気エリアで。春の訪れを感じる暖かい日差しを感じましょう。 |
| 夏(6〜8月) | 直射日光を避け、日陰やミストエリアでのぼせないように休憩。 | 熱が体にこもりやすいので、日陰や風通しの良い場所を選ぶ。温湯も◎ |
| 秋(9〜11月) | 涼しい風と落ち着いた気温で外気浴のベストシーズン。 | 5〜8分の外気浴で自然な“ととのい”を実感しやすい。 |
| 冬(12〜2月) | 屋内の風通しスペースや寝湯で体を冷やしすぎないように休憩。 | ブランケットやサウナポンチョを活用して冷えを防ぐ。足湯も◎ |
五感で感じる外気浴の魅力
外気浴では、ただ座って休むだけでなく、五感を使って自然を感じることがととのいを深める秘訣です。
- 聴覚:風の音、鳥のさえずり、水の流れに耳を傾ける。
- 視覚:空の青、木々の緑、光のゆらめきをぼんやり眺める。
- 嗅覚:木の香りや湿った土の匂いを感じて深呼吸する。
- 触覚:肌をなでる風の冷たさを味わう。
- 味覚:味覚が鋭敏になり、より料理や水の美味しさを感じる。
これらを意識することで、副交感神経が優位になり、呼吸が落ち着き、心が自然と“ととのう状態”へと導かれます。
自然を感じることが、究極のサウナ体験
自然の中で風を感じ、光を見て、静寂に包まれる外気浴。それは、サウナの熱や水風呂の冷たさを超えた“心身のととのい”の時間です。
人工的な設備では味わえない、自然と一体になるような幸福感。この瞬間こそ、サウナの本質であり、究極のリラクゼーションです。


ととのう瞬間を味わおう
外気浴中は、体の中を血流がゆっくり巡り、脳内でエンドルフィン(幸福ホルモン)が分泌されます。
まるで自然の中に溶けていくような心地よさを感じる瞬間です。
この状態ではストレスホルモン(コルチゾール)が低下し、集中力アップや睡眠の質向上にもつながると報告されています。
慣れてくると、3セット目あたりから深い“ととのい”を感じやすくなります。
無理せず、自分のリズムで楽しむのが一番です。



僕は1セット目でもととのっちゃいます!
外気浴の最中に心地よい風を頬で感じながら目を閉じると、まるで体がリセットされたような爽快感に包まれますよ。
これが、サウナがもたらす究極のリラクゼーション。
そして、その日一日の疲れを手放す時間です。
休憩のコツと再セットの流れ
外気浴で「ととのう」感覚を味わったら、そのまま余韻を楽しみましょう。無理にすぐ動かず、体が自然に「もう一度入りたい」と感じるまで待つのがポイントです。
多くの人は、1セット目よりも2セット目・3セット目の方が深いリラックスを感じやすい傾向にあります。
- セット数の目安:サウナ → 水風呂 → 外気浴を1回として、3セット程度がおすすめです。
- 外気浴後は:しっかり水分補給をしてから次のセットへ。スポーツドリンクやミネラルウォーターが理想的です。
- セットの合間:休憩スペースでのんびり座ったり温泉を楽しむのもOK。焦らず「体の声」に耳を傾けましょう。
回数を重ねていくうちに、サウナ浴のペースを覚えていきます。
注意点|のぼせ・冷え対策
外気浴やサウナの繰り返しは体に心地よい刺激を与えますが、無理をすると逆効果になることもあります。安全に楽しむために、以下のポイントを意識しましょう。
- のぼせ対策:サウナ室で急に立ち上がらない。頭がふらっとしたらすぐに退出を。
- 冷え対策:冬場の外気浴ではタオルを肩にかける、ポンチョを羽織るなど体温調整を忘れずに。
- 水分補給:セットごとにコップ1杯(200ml程度)を目安に水分を取る。
- 食後すぐ・空腹時:どちらも避けて、軽く食事して1〜2時間後がベスト。
サウナを楽しむ最大のコツは、「自分の体調を観察する」こと。周囲のペースではなく、自分の体が心地よいと感じるリズムを大切にすれば、回を重ねるごとに“ととのい”が深まります。
まとめ|正しいサウナの入り方で“ととのう”をもっと深く
サウナは、ただ汗をかくだけの場所ではありません。体と心をリセットし、自分をととのえるための“自分との対話の時間”です。
今回紹介した流れをおさらいしてみましょう。
| ステップ | ポイント | 効果 |
|---|---|---|
| ① 下準備 | 水分補給・洗体・マナー確認 | 体の温度調整がスムーズになり、心身ともにととのう準備 |
| ② サウナ室 | 無理せず5〜12分を目安に | 血流促進・代謝アップ・心拍数上昇 |
| ③ 水風呂 | 汗を流してから静かに入る | 血管収縮→自律神経リセット |
| ④ 外気浴 | 5〜10分ゆったり休憩 | 副交感神経優位・エンドルフィン分泌・ととのい |
この4ステップを意識するだけで、“ととのい”の質が格段にアップします。
さらに、週1〜2回のサウナ習慣を続けることで、睡眠の質・ストレス耐性・集中力にも良い影響が見られます(※加藤容崇先生の研究より)。
さいごに|あなたの“ととのい”が見つかりますように
サウナは「正しく入る」ことで、誰でも気持ちよくととのうことができます。
最初は戸惑うことがあっても、少しずつ自分のペースを見つけていけば大丈夫。
そして、自分なりの“ととのいルーティン”を見つけたとき、 サウナがもっと特別な時間になるはずです。

